連載504 山田順の「週刊:未来地図」トランプ2024年出馬に意欲。 アメリカの政治腐敗と分断はますます深刻化する!(完)

連載504 山田順の「週刊:未来地図」トランプ2024年出馬に意欲。 アメリカの政治腐敗と分断はますます深刻化する!(完)

トランプも不正選挙をしたのではないか?

 今日までのトランプの言動で、もっとも不思議なのが、民主党が「選挙を盗む」と、早い段階から言い続けてきたことだ。  メディアは、トランプは勝つためには手段を選ばない的な報道を繰り返してきたが、そうならなぜ、トランプは自分自身で不正を仕組まなかったのだろうか。

 1月3日、「ワシントンポスト」紙は、トランプが、ジョージア州の州務長官に対して、電話で票の再集計を求めていることを、音声記録を入手してすっぱ抜いた。トランプはこの電話で、「われわれはジョージアの選挙で勝ったんだ。ブラッド、だからそれを主張するのはまったく間違いじゃない。1万1780票を見つければいい。望むのはそれだけだ」と言い、暗に「数え直せ。そんなことは簡単だろう」と示唆している。

 こんな電話をかけられるということは、トランプが票をごまかせる、それができると知っているからではないか?とすれば、なぜ、彼は民主党が不正をしていると主張したのか。そんなことするよりも、自らが不正をやって勝てばよかったのではなかろうか。

 トランプは前回選挙で、現職大統領として最高の約7400万票を獲得した。2016年の大統領選挙では約6300万票を得たので、約1100万票も上乗せした。それでもバイデンの8000万票に及ばなかった。しかし、なぜトランプがこんなにも大量に票を集められたのか、私には解せない。

 じつは、トランプ陣営も不正をやっていた。ところが、それでもバイデンに届かなかったので、キレたのではないか。私はそう思っている。

アメリカは欧米系白人の国ではなくなる

 いずれにせよ、こうして、アメリカの政治は腐敗し、民主主義は破壊された。もはや、共和党も民主党も、カネを集めて票を獲得するだけの政党に成り下がり、議員たちは、カネをめぐって態度を変えるようになった。

 そのため、コロナ禍もあって、アメリカの分断と格差拡大は、ますます深刻化している。

 このままだと、共和党は、トランプのおかげで「小さい政府」「穏健保守」の政党ではなくなり、白人低所得層と過激派保守を基盤とし、そこに富裕層の選挙資金が流れ込む政党になってしまうだろう。白人人口の比率が低下しているため、この傾向はますます強まる。

 一方、民主党は、さらに左傾化するも、中心は黒人やラティーの非白人となり、かつての労働組合を基盤とした政党ではなくなってしまうだろう。そして、民主党もまたウオール街などのマネーを集めまくる。その貪欲さは、共和党を上回る。

 いずれにせよ、アメリカは、欧米系白人の国ではなくなろうとしている。この大変化に、日本は真剣に向き合っていかねばならない。

(了)

【読者のみなさまへ】本コラムに対する問い合わせ、ご意見、ご要望は、
私のメールアドレスまでお寄せください→ junpay0801@gmail.com

【山田順】
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。
【読者のみなさまへ】本メルマガに対する問い合わせ、ご意見、ご要望は、私のメールアドレスまでお寄せください。 → junpay0801@gmail.com

>>> 最新のニュース一覧はこちら <<<

 

 

 

 

タグ :