ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.1
「クリーン・ビューティー」の定義
クリーンビューティーという言葉、聞いた事ありますか?
数年前から、美容業界ではよく聞くようになって、もうすっかり定番化している気がしていましたが、世の中での認知度はまだまだ低いようです。先日クリーンビューティーのお話しをしていた方は、「クリーン・ビューティー=洗顔、清潔感を大切にする美容」と、私とは少し異なった受け止め方をしていらっしゃいました。
ひとつの言葉から連想するイメージというのは人により様々で、クリーン・ビューティーという言葉にも、様々なニュアンスが存在するようです。ウェブで調べてみたら、色々な説明を見つけましたが、私の当初の理解は、こんな感じです。
「地球に優しく、お肌にも優しい美容」
●環境汚染、自然崩壊を避け(プラスチック不使用など)、サステイナビリティーやバイオディグレーダブルなど地球へのケア
●アニマルテストをしないなどのモラル
●明確な成分の表示、製造地などの透明性
●「危険成分」と云われる成分が入っていない
といった条件がある程度満たされていて、「Green」または「Clean」なプロダクト、又はショップ、トリートメントのことを「クリーン・ビューティー」という。
さらに「Green」と云うと、
●プラント・ベース(植物由来の成分使用)
●オーガニック(無農薬有機栽培された成分使用)
などと限定されてしまうので、「Green beauty」という言い方は広まらなかったようで、クリーンビューティーと言う言葉が出始めた頃は、成分はオーガニックの植物由来というイメージでしたが、今はあくまでも危険成分が入っていなければ「クリーンビューティー」と呼ばれているようです。
「危険成分」と云われている代表的な成分とは、防腐剤(パラベン)、合成界面活性剤(PEG, PPG, BG)、シリコン、鉱物油、人口着色料・香料などがありますが、これらは、大量生産が必要な人気大手化粧品メーカーの製品に欠かさない成分だったために、クリーンビューティーの信念に拘った「インディーズ・コスメ」と呼ばれる小さなメーカーの出番となりました。
量産をしている人気ブランドは、長く店頭で品質を保つために、どうしてもしっかりとした防腐剤が必要ですし、簡単に分離しないとか、魅力的な見ため、色、香り、テキスチャーを、化学的に、なるべく低価格で作ります。
天然だと、毎年の収穫ごとに若干、成分の化学物質の含量も変わりますので、それに合わせてフォーミュレーションも微妙にアジャストします。天然成分を使ったプロダクト作りは、プロダクション毎に丁寧な分析が必要で、時間もコストもかかり、大手ブランドには現実的なビジネスでは無いのです。
次号(5/28号)に続く
グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。