ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.2
「クリーンビューティー」の定番化

「クリーンビューティー」プロダクトが
定番化してきた背景には、近年、「食」における消費者のオーガニックへの拘りが顕著になったことがあげられます。
遺伝子組み換え、添加物などの健康への影響が話されるようになって以来、No GMO(遺伝子組み換え)、No MSG(化学調味料)、GF(グルテン・フリー)や、VEG(ヴィーガン)など、身体に摂るものへの意識が高まる中で、化粧品成分についても、同じレベルの拘りの意見がネットなどで氾濫する様になりました。何の成分が、どう良くないかといった説明をあちこちで目にする様になり、オーガニックフード同様、こういった、身体に良くないとされる成分が入らない「クリーン」な成分が求められる様になったのです。
この流れに対し、当初は、指をさされていた筈の大手化粧品メーカーも、「クリーンビューティー」系ブランドを立ち上げ始めました。そして、危険成分といわれる成分は「なるべく」入らないようにする意識が広がり、もはや、どれもこれも、クリーンビューティーと説明されていて、本当のクリーンビューティーは何だかわからなくなってきてしまいました。大手化粧品メーカーの方は、現在市販されているどの成分も身体に問題のあるものは無いとおっしゃいます。
しかし、これはまるで、遺伝子組み換えの食品は研究を重ねて作ったもので、身体に害などは全く無い、というのと少し似ているようにも感じます。
2012年から2016年の間に、FDAに届いたパーソナルケア商品(ヘアケア、スキンケアなど)にアレルギー反応など副作用を起したクレーム数は倍に増加したそうで、特にクレームが多かったメーカーへFDAが問い合わせたところ、メーカーは既に数万件のクレームを受けていた事実が発覚したことがありました。
ほとんどのクレームは、FDAではなくメーカーに直接届きます。メーカーは、クレームを消費者から受けてもFDAに申告する義務はありませんので、実際のところ、どの位の副作用が起きているかは分かりません。

年々、有名ブランドのスキンケア、ヘアケアにトラブルを起こす人は増えているようで、どれを試しても、お肌が、髪が荒れる、というお悩みは常に聞くものです。
もちろん世の中には、病気一つしない強靱な方や、どんな化粧品にも薬にも悪い反応を起したことが無く、トラブルフリーな健康なお肌と身体の方もいらっしゃると思います。しかし一方で、話題のクリームや化粧水を使っているけれど、お肌はどんどん乾燥して、ざらざらとしてしまう。日焼けの様な赤みが出て炎症を起こし、発疹が出てかゆくなったり、吹き出物の様に荒れ始めたり、ありとあらゆる症状を起こしている方が、サロンには沢山いらっしゃいます。
次号(6/4号)に続く

グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。
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