NY市婚姻局、当面バーチャル
市庁舎挙式「まるで閉鎖された銀行のよう」
ニューヨーク市の婚姻局は、いまだ対面業務を再開していない。管轄する書記事務局は「利用者がキスをしたり、ハグをしたりすることが日常の特殊な役所」と指摘。安全性を配慮し、当面バーチャルのみとする考えだ。ウォール・ストリート・ジャーナルが2日、伝えた。 婚姻局は各区に1カ所ずつあり、結婚許可書の交付や結婚式を執り行う。新型コロナウイルスで昨年3月に閉鎖、バーチャル形式の「プロジェクト・キューピッド」を開発した。結婚許可書の署名と結婚式がバーチャル上の教会でできる。
結婚許可書の申請者には、200人までの客が列席できるバーチャル結婚式が当たるくじ引きも実施。それでも昨年交付した結婚許可書は3万6142枚で、19年の約半分だ。
市庁舎での挙式は100年以上続く伝統で、19年には4万9538組が結婚式を挙げた。予約は不要。春や祝日には長蛇の列ができる。特にマンハッタン区の婚姻局が入居するワース・ストリートの重厚なビルは名所の1つ。
ワンディ・シェルさんと婚約者のショーン・ムリガンさんはワース・ストリートまでやって来て「まるで閉鎖された銀行のようだ」と落胆。「幸せな場所が不気味なゴーストタウンになってしまった」と諦め、先月下旬にロングアイランドのバビロンで挙式した。
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