ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.3
化学模擬した高機能成分
「ヒアルロン酸」
よくいわれている危険成分の他にも、化粧品には、「高機能成分」と呼ばれる化学成分が入ることが多いですが、この化学成分に反応を起こす方も多く、あたかもクリーンビューティーの説明と混ぜて、「肌に良い成分」として紹介される成分の中にも、アレルギー反応を起こす方は沢山居ます。
もっとも、天然成分、オーガニックが必ずしも絶対に安全では無いのも否めません。
例えば、Bergamot(*ベルガモット)のエッセンシャル・オイルは、爽やかなフレッシュな香りで人気ですが、太陽を浴びるとシミの原因になる事で知られています。
また、レモングラスは強力な酸で、木のテーブルに1適垂らしただけでも、穴を開ける程なので、例えば、お風呂に数滴入れて入浴したりすると、皮膚に炎症又は、火傷を起こす可能性もあります。
*Bergaptene Freeのベルガモットは、シミの原因になる成分を抜いているので肌につけても安全。
天然というと、「弱い」「即効性効果は特に無い」というイメージも持たれる方も多いですが、実は天然成分というのは、薬の原料になるとてもパワフルなものです。
次々、登場する新たな「高機能成分」というのも、多くは、天然の成分を化学で模擬したものです。
例えば、「ヒアルロン酸」
20年ほど前からスキンケアの成分として紹介されているヒアルロン酸は、もともと生まれつきヒトの真皮、軟骨などにあり、クッションの様な働きをする粘性のあるテキスチャーで、関節の動きを支える潤滑剤ととして活躍したり、空気中の水分を吸収し高度の保水性で、コラーゲンの形成を活性し、肌にハリやうるおいを与えてくれる素晴らしい成分ですが、年齢と共に減少します。
スキンケアの成分として製造されているヒアルロン酸は、もちろんヒトから抽出は出来ませんので、主に鳥のトサカや、動物の眼球などが原料ですが、その飼育環境の劣悪さによる動物のコンディションの酷さがバッシングされた為、現在は、ヴィーガン、植物由来のものが増えています。
動物由来でも植物由来でも、こうして作られたヒアルロン酸は、分子が大き過ぎるため、真皮にたどり着くことはなく、皮膚表面角質層に保護膜をつくり、しっとり感を与えてくれる事になっていますが、実際は、表皮にベールの様に溜まった状態で、長期の使用では、毛穴が開いたり、真皮の水分を少しずつ奪ってしまい、ドライスキンを引き起こすというクレームもだんだん増えてきました。
次号(6/11号)に続く
グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。