ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.5
刺激の強い高機能成分
「レチノール」と「ハイドロキノン」

「レチノール」
クリーン・ビューティーの話がある時に、時々、レチノールが紹介されているのを目にします。ビタミンAが原料で、レチンAとも呼ばれます。
角質を落とし、肌のコラーゲンやヒアルロン酸を活性化して艶とハリを出すという成分で、ニキビやアンチエイジングの目的で使われる成分ですが、紫外線に当たるとトラブルを起こしやすく、レチノールの定期使用は、酷いドライスキンになったり、刺激の強い成分なので、逆に肌荒れや色素沈着を起こす方も多く、元々センシティブな肌の方は合わないかもしれません。
レチノール同様ビタミンAに分類される植物由来のバクチオールは、コラーゲンとエラスチンの育成を促進すると言われていますが、レチノールの様な刺激はない代替成分として注目されています。
「ハイドロキノン」
メラニン色素の合成を阻止しシミを薄くし、美白効果がある成分で、これもよく、何故かクリーンビューティーの成分として紹介されますが、大変刺激の強い成分で、紫外線に当たったり、保存が長くなると変異して更に刺激が強くなり、逆にシミの原因にもなります。
アメリカで市販されているものは1%-2%と少なめの含有量ですが、この位では目立った効果は出にくく、一般的には4%以上でないと効果は期待出来ないとされていて、処方されるものになると4-10%となり、効果は出るかもしれませんが、ヒリヒリしたり赤みが出たり敏感な状態になり、多くの方は効果が出る前に肌荒れを起こしがちな、ややこしい成分で、全く肌に優しくはありません。自然派コスメメーカーはよく、ハイドロキノンが入っていない事を宣伝文句にしたりしているのが現状です。
現在、ヨーロッパでは1300の成分が禁止されている中、アメリカは国の規定ではたった50の成分しか規制していません。
「クリーン・ビューティー」ムーブメントを先導しているサンフランシスコ・ベースのCredoでは、2700の成分を「Dirty list」として使用の禁止を呼びかけています。
Credo Beauty Standard の他に、Cert Cleanなど新たな認証スタンダードも出来て、クリーン・ビューティーの意識は益々広まっています。
次々と新しい高機能成分と呼ばれる成分が登場し、様々な情報が溢れる中、どれが正しいのか信用していいのか、とても分かりにくく困惑させられます。
私がオーソリティーでもありませんので、正しいのはこれ!という断言は出来ませんが、私なりに理解しているのは、どんな成分にもツッコミどころが必ずある、という事で、大切なのは、自分にとって合う成分なのか、必要な成分なのかです。
流行りの成分が、どういう性質を持って、何に気をつけた方がいいのか、情報として知っておくのも大切ではないかと思います。
(完)


グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。
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