NY市、コロナ検査体制を縮小 専門家「時期尚早」と懸念

 

 

NY市、コロナ検査体制を縮小

専門家「時期尚早」と懸念

 

 

 新型コロナウイルスを巡り、ニューヨーク市の最近の陽性率は1%近くまで再び上昇している。市は感染拡大を監視するための態勢を縮小しているが、専門家からはデルタ株の流行を見据え「時期尚早だ」などと懸念する声が上がっている。ニューヨーク・タイムズが7日、報じた。

 スタテン島では先週、4つの郵便番号エリアで100件以上の感染者が報告された。市の1日平均の検査陽性率は、1%近くまで少しずつ上昇していることに加え、多くの地域では、ワクチン接種率が依然として低い水準にとどまっている。さらに市内での感染者は、感染力が強いデルタ株が主流になっている。ただ市は、以前に比べ感染者数が着実に減少していることや、パンデミックから脱却し始めたとの意識が高まっているのを踏まえ、検査件数を減らすなどの対応を取っている。

 公衆衛生の専門家らは、監視体制の縮小により、感染力の強い変異株が新たに発生した場合、準備が不十分になる可能性を指摘。ワクチン接種を完了する市民を増やすことは正しいとしながらも、ウイルスを追跡するための努力を維持し、態勢を拡大すべきだとしている。

 議会関係者は「市内には多くのワクチン未接種者がいる。ワクチン接種を終えた人への感染を防ぐには、検査は絶対に欠かせない」と警鐘を鳴らしている。


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