おうち時間をちょっと楽しくする
大石育子のくらしごと
7月 オットマン
独立記念日の花火も上がって少しずつ活気が戻ってきたと感じられるニューヨーク。昨年は軒並みイベントが中止となりましたが、今年は従来通りたくさんのイベントが開催されるようでうれしく思います。
今月の私の暮らしのなかのお気に入りは、オットマン(Ottoman)。スリフトショップで見つけたものについてお話ししましょう。
小さくても大活躍
オットマンは足を乗せるためのものですが、玄関に置いて、靴を履くときの椅子代わりにも使えます。私の持っているものは小さなものですが、もう少し大きなものだとサイドテーブルの代わりにしたり、来客時のバッグ置きにしたりできます。
スツールとオットマンはどう違う?
似ているけれど用途が違います。スツールとは背もたれのない椅子のこと、ですから、背もたれのないソファーもスツールです。カウンターに置かれている、背が高くて背もたれのない椅子もスツールです。
オットマンは、ソファーに座って足を伸ばしたいときにソファーの前に置いて両足を乗せて使います。名前の由来は、古代オスマン帝国からきているそうですが、現在は足を乗せるための家具を意味しています。しかしながら座面が低いスツールならばオットマンとしても使えます。さまざまな使い方があるスツールとオットマン。実はとても便利な家具なのです。
スリフトショップに行ってみよう
スリフトショップとは、古着や家具、家電などを寄付で集め、再販してその収益を慈善活動などに充てる小売り形態のひとつです。主に慈善団体が運営しており、寄付、購入、労働などのかたちで、スリフトショップに関わった人全員が慈善活動に寄与することになるという素晴らしい仕組み。マンハッタンのスリフトショップはお金持ちからの寄付も多いので、びっくりするような掘り出し物に出会えることもあります。米国にはさまざまな団体のスリフトショップがあり、それぞれに特徴がありますので、ぜひご自分の足で歩いてお気に入りを見つけてください。
昨年5月号でご紹介した、スージー・クーパーの「パトリシアローズ」のデミタスカップもスリフトショップで見つけました。6客で12ドルと、びっくり。日本では1脚1万円以上することもあるので、どれだけ破格値かお分かりになると思います。ガラクタの中に宝物が混じるスリフトショップ巡りは、「パトロール」とも言われますが、まさにその通り。お宝を見つけたときの感動は、何物にも代えがたいものです。 写真のオットマンは、近所のスリフトショップで発見。座面がボロボロでしたが、お気に入りの生地に張り替えて、タッセルを付けてリメイク。見事に蘇りました。
今月のフィンガーフード
~トマトのゼリー~
手軽にできておつまみにもピッタリ、そして見た目も可愛いフィンガーフード。夏が旬のトマトでゼリーを作ってみましょう。ここでは手軽にトマトの缶詰めを使いましたが、トマトジュースでも作れます。
【材料4人分】
・トマト缶(ダイスまたはホール)100g
・水 100cc
・砂糖 30g
・粉ゼラチン 4g(5倍の水で溶かす)
・レモン果汁 小さじ1
・飾り用ハーブやエディブルフラワー、クリームチーズやサワークリームなど
【作り方】
①トマト缶と水を鍋に入れて火にかけ、トマトの形が残るくらいまで木ベラでつぶす(生のトマトを使うときは皮を湯むきして種を取り、小さく刻んでから重量が100gになるように計ってから鍋に入れる)。粉ゼラチンを溶かしておく
②①の鍋にレモン汁と砂糖を加える。砂糖が溶けたらゼラチンを加えて火を止める
③ゼリー液の粗熱が取れたら容器に入れて冷蔵庫で冷やし固める
④トマトやバジル、エディブルフラワーなどを飾って出来上がり
★容器に入れる場合は、ゼリーがゆるめのほうが食感が良い。型に抜く場合はゼラチンを少し多めに。
★生のトマトを使う場合は、水の分量とトマトの割合は1:1を基準に好みで調節する。
今月使ったおすすめアイテム
WECK
0.25 Liter Mold Jars with Lids
26ドル98セント(6個入り)Amazonの価格
トマトのゼリーにも使用したガラス瓶、ドイツのウェック(WECK)をご紹介します。ウェックは長期保存を可能にする蓋とパッキンがあり、さまざまな形や大きさがあります。地球にやさしいリサイクルガラスを使用。100年の長い歴史があるメーカーです。今回のようにフィンガーフードに使ってもかわいいですし、お友達にそのままプレゼントしても喜ばれます。
筆者:大石育子
インテリアコーディネーター、食空間プランナー、英国式紅茶インストラクター。日本フィンガーフード協会認定講師。食空間プロジェクト(FSPJ)認定サロン、初級ディプロマ発行校Atelier de Ikuko New York主宰。「東京ドーム・テーブルウェアフェスティバル」特別審査部門で2019、2020年と2年連続入選、2020年、テーブルウェア・コーディネート部門入選、特別審査部門・奨励賞受賞。日本クラブカルチャー講座講師。
http://atelierdeikukony.amebaownd.com
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