ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.9
「ムダ毛処理・脱毛の全て(4)」
<レーザー・IPL脱毛とは>
レーザーとIPLの大きな違いは、簡単に言うと威力の違いで、レーザーはシステムにもよりますが幅広い肌の色に対応でき、IPLよりも少ない施術回数で終了します。
どちらも、皮膚表面に強い光を当てることで、光が皮膚下の毛根のメラニン色素に反応し、熱で毛根を破壊(IPLは毛根までは辿り着かず毛管に熱を送り徐々にダメージを与える)します。破壊された毛根は、1〜2週間で自然に抜け落ち、同時にお肌も光で活性され、ツヤツヤ、すべすべになります。 日本では、エステで行われているのがIPL脱毛、美容形成や皮膚科などクリニックで行われているのがレーザー(医療レーザー)になります。レーザーにはいくつかシステムがあり、クリニックにより違うものを使っていますので、自分にあったシステムを扱っているか確認することも大切です。
<レーザーシステムの違い>
現在、脱毛に使用されているレーザーシステムは以下の3つです。
アレキサンドライト(通称:アレックス)
皮膚下755nm をターゲット。白い肌で細めの毛に向いている。太い毛には刺激が強い。日焼けがNGで、元々お肌の色が濃いめの方、色素沈着のあるエリアには向いていない。しみ、ほくろ取りとして使用される場合もあるが、プロセスが長いのでしみ取りは別のシステムと使いわけられることが多い。
ダイオード
皮膚下808nmをターゲット。なかには毛根に直接熱を送らず、毛管全体に熱を流し、回数は掛かるがより痛みの少ないシステムもある(IPLと似ている)。アレックス程では無いが、白い肌で細めの毛に向いている。日焼けはNG。
Nd: ヤグ(通称:ヤグ)
皮膚下1064nmをターゲット。日本では一番レアなシステム。有色人種用に開発されているので黒人の肌にも安全なシステムで、実は日本人の肌にも最も安全で適している。太めの毛に向いている。
クリニックにより、色黒なためレーザー脱毛は不可能と断られることがあるのは、そのクリニックでヤグレーザーの用意が無い場合が多い。ヤグは色素沈着があっても問題無く、アンダーヘアーなどの処理に適している。
日本でヤグがレアな理由として考えられることは、日本で一番初めに輸入ルートを持ったメーカーの主力が最も古いダイオードで、当時ヤグレーザーが開発前で兼ね備えていなかったこともあり、ダイオードまたははアレキサンドライトが正しいという認識を植え付けすぎて、マーケティング的にヤグレーザーを推していないのではと思っています。
大手の脱毛レーザーシステムは全てアメリカ製で、輸入の場合は一台が高価なために、一度購入すると買い替えは滅多にありません。インターネットなどで名前が知られ始めたヤグレーザーをイメージダウンさせたいのか、日本の脱毛についてのほとんどのホームページで、あまり良いことが書かれていないのは、そういう背景もあるのかな、と想像しています。
当サロンでは、アレキサンドライトとNdヤグレーザーの2種類を、エリア、毛質、スキンタイプに合わせてご用意しています。
次号(7/23号)に続く
グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。