豪雨対応遅れ、当局批判強まる
「今回は市の失政だ」
暴風雨の警告が出ていたのに、なぜニューヨークを守れなかったのか――。
米ニューヨーク州やニュージャージー州など北東部を襲った記録的豪雨で、市と州の職員は大雨が訪れることが分かっていたものの、死者・行方不明者は50人以上に上った。ニューヨーク・タイムズは3日、予測を超える雨量で当局の対応が遅れた内幕を伝えた。
デブラシオニューヨーク市長は同日「海岸から遠く離れた場所で命が失われた。驚くべき量の雨が瞬時に降り注ぎ、人々を驚かせた」と述べ、沿岸部で甚大な被害を出した2012年のハリケーン「サンディ」との違いを強調した。その上で、気候変動の時代を迎えており、予測不能な気象現象が事前の最善計画を狂わせる可能性があると釈明した。
コーネル大学気候センターのディレクター、アーサー・デゲターノ氏によれば、今回の記録的豪雨は1つの嵐ではなく、いくつかの小さな嵐が相互に影響して発生したため、予測するのは困難だったという。デゲターノ氏は「ニューヨークが線路上にあり、嵐は線路を走る列車のようなもので、それが何時間も続いた。6時間で6インチ(約15センチ)の雨が降るなんて、誰も想像できなかったと思う」と語る。
ただ、衝撃的な動画がSNSなどで拡散し、市への批判は強まっている。被害が大きかったクイーンズ区の議員は「今回は市の失敗だ」と指摘している。
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