NY市の新規コロナは頭打ちか
若年層や人種別に感染拡大を疑う声も
ニューヨーク市の新型コロナウイルス・デルタ株の急速な広がりはここ数週間で鈍化し、一部の専門家の間では市内のウイルス感染第3波は落ち着いたとみられている。14日、ニューヨーク・タイムズが報じた。
新学年度が始まり、地方自治体や一部企業がオフィス勤務を義務付けるなど、コロナ禍以前の生活に数十万人が戻ってきた。今のところ、コロナの新規感染および入院の割合は、夏のピーク時に比べて下がっている。
8月中旬、市では1日平均2,000人近くがコロナに感染し、その数は夏の初めに比べ10倍に跳ね上がっていた。新規症例の発生率は18〜34歳までの若年層で最も高く、毎日100人以上が入院していた。しかしその後3週間で、感染率は減少している。
地域別ではスタテン島の感染レベルが群を抜いて高く、直近の7日間では417人に1人が陽性だった。これは感染レベルが最も低いクイーンズの2倍。専門家によると、ニューヨーク市や米北東部でのコロナ急増は、主にワクチン接種率の差が原因であるという。
市では人口の約60パーセントにあたる500万人以上がワクチン接種を済ませているが、ワクチン未接種者の割合も多い。特に黒人社会では他の人種よりも接種率がはるかに低く、ウイルス感染第3波の影響を最も受けている。
現在、市全体では過去の症例と比べると第3波の影響は少ない。昨年4月のピーク時には1万2,100人を超えていた感染者は、今年9月初めには、入院した人の数は1日あたり900人まで下がった。今週は800人を下回っている。
しかし、ウイルスの感染レベルは依然高いままである。学校再開に伴い12歳未満のワクチン未接種の若年層からの感染が拡大する可能性など、今後再び感染者数が上昇することもあり、油断はできない。
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