連載624 山田順の「週刊:未来地図」 世界は本当に元に戻るのか?どんどん遠ざかる「コロナ後の世界」(完)

連載624 山田順の「週刊:未来地図」 世界は本当に元に戻るのか?どんどん遠ざかる「コロナ後の世界」(完)

寄生虫病薬「イベルメクチン」がインドを救った

 インドの感染拡大が止まった原因と考えられるのは、「イベルメクチン」の投与である。ワクチンの十分な供給ができず、焦ったインド政府は、半ばギャンブルで、4月20日からイベルメクチンの大量投与に踏み切った。

 これが功を奏したのか、その後、みるみる感染者数が減ったのである。

 インドばかりではない、ブラジルやメキシコなどでも、イベルメクチンの初期投与により、発症者の重症化防止に成功し、感染者数は減少に転じた。イベルメクチンには、感染者の病状を悪化させない大きな効果があることが、証明されたと言えるだろう。

 ところが、日本でもアメリカでも、イベルメクチンはコロナの治療薬としては認可されていない。イベルメクチンは、寄生虫病薬としてノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が生みの親だというのに、「十分な治験がない」として厚労省は認可していないのである。

 ただし、使うのはかまわない。厚労省としては、副作用が出た場合は投薬した人間の責任、つまり自己責任で使えとしている。そのため、在宅治療医として活躍する 兵庫県尼崎市の長尾クリニックの長尾和宏院長は、自己責任で積極的に使い、これまで数百人の感染者を救ってきた。ほかにも、有意の医師により、イベルメクチンは使用されて、効果を上げている。

 ワクチンには発症を防ぐ効果がある。しかし、治療薬ではない。ワクチンよりも治療薬のほうが、病気に対しては有効なのは言うまでないだろう。コロナにかかるのを恐れて暮らすより、かかっても治るとわかれば、安心して暮らせるからだ。

入院した中等症以上の患者のための治療薬

 なぜ、アメリカは、FDA(米食品医薬局)も CDCも、イベルメクチンをコロナ治療薬として認めないのだろうか。現在のところ、アメリカでイベルメクチンが認可される動きはない。WHOも、推奨していない。

 そのため、アメリカ追随の日本ばかりか、欧州諸国も正式に認可していない。

 現在、日本で、コロナ治療薬として承認されているのは、抗ウイルス薬の「レムデシビル」、ステロイドの「デキサメタゾン」、関節リウマチ薬の「バリシチニブ」、中和抗体薬の「抗体カクテル」(カシリビマブとイムデビマブの2種類の抗体を混ぜたもの)だけだ。

 このうち、国と厚労省は抗体カクテルを推奨したが、医師の許可が必要なうえ、点滴で使用されるため、入院しないと使えない。つまり中等症以上の患者に対してのみ使用できる。

 ほかの承認薬も同じで、いずれも入院しないと使えないため、発症の可能性のある初期感染者および軽症者は放置されたままになっている。

 イベルメクチンはネット通販(個人輸入経由)で買えるので、一部のコロナを恐れる人たちの間では買われている。しかし、日本では圧倒的に品不足になっている。

意図的にコロナ危機を長引かせている

 このように見てくると、ワクチンよりも、治療薬のほうが、パンデミックを収束させる効果があることがわかる。それなのに、イベルメクチンと並んで効果が期待されるインフルエンザ治療薬の「アビガン」も痛風治療薬の「コルヒチン」も認可されていない。

 FDAは、かつてイベルメクチンを認可しない理由として、「コロナ治療薬としてのイベルメクチンは、まだ初期研究の段階だ。未承認の段階で、イベルメクチンを服用するのは非常に危険である。『イベルメクチンを大量に服用しても大丈夫』という情報は間違いである。イベルメクチンの過剰摂取は、嘔吐、下痢、アレルギー反応、めまい、発作、昏睡、そして死を引き起こす可能性がある」とし、いまもこのスタンスを変えていない。

 そこで、最近では、「陰謀論」が流れている。世界支配層はアメリカ政府を動かし、意図的にイベルメクチンを認めさせないように仕向けている。認めてしまうと、ワクチン接種による人類支配ができなくなるからで、彼らはできる限りコロナ危機を長引かせようとしているというのだ。

 パンデミックが続く限り、ワクチンは製薬メーカーのドル箱となるばかりか、ワクチンパスポートによって、人間の行動をコントロールできる。

 さらに、世界中の政府に金融緩和政策を続けさせ、バブルを継続させることができる。バブルによって恩恵を受けるのは、常に十分な資産を持つ支配層だけである。

 はたして、今後、世界はどこに向かうのか? 私たちがコロナから解放される日がやって来るのか? 本当に不透明で、混沌としてきてしまった。
(了)

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