おうち時間をちょっと楽しくする
大石育子のくらしごと
今年も早いもので残り3カ月を切りました。ニューヨークではこれからホリデーシーズンに向かって1年で最も華やかな季節を迎えます。今年はハロウィンやサンクスギビングデーのパレードも通常通りに行われるのでしょうか。楽しみですね。 日本もやっと緊急事態宣言が解除になりました。世の中が少しずつ元気になっていくことを願います。 今月は、和食器の代わりに洋食器を使う機会が多いニューヨークでの暮らしの中でも、海外らしい和の世界を演出できるクールな漆器、「冨樫孝男さんの四分一塗のプレート皿」をご紹介いたします。
10月 四分一塗のプレート皿
冨樫孝男さん (会津塗 塗師一富三代目)
テーブルスタイリング上級者に大人気の、カッコイイ漆の世界を見せてくれる冨樫孝男さん。東京ドームのテーブルウェアフェスティバルで冨樫さんの作品に出会った時は、「え?? 本当に漆器なの? カッコいい!絶対に私が持っている洋のアイテムと合う♬」とうれしくなったのを覚えています。その後ご縁をいただいてこの四分一塗のプレート皿をずっと愛用していますが、和食器はもちろんのこと、洋食器や銀器にもよく合います。私のニューヨークスタイルのテーブルには欠かせない存在になりました。まるでガラスのような玉虫塗の器も美しく憧れです。実物の輝きはぜひ実際に目で見てほしいものの1つ。
湿気が少なく乾燥気味のニューヨークでは、ふたがピッタリと合わなくなったり、反ってきたりひび割れたりと漆器の保管が難しいものだと思っていたのですが、冨樫さんの作品は細いお箸でも全く反りません。とても使いやすくて家族みんなで愛用しています。写真の四分一塗のプレート皿も全く反ることもひび割れることもなく健在です。これから先も、少しずつ楽しみながら大切に集めていきたいと思います。
冨樫孝男さんプロフィール
1975年 会津若松市生まれ
1993年 石川県立輪島漆芸技術研修所で、塗り、蒔絵、沈金を学ぶ
1996年 塗師、佐藤阡朗(せんろう)氏に師事
1999年 独立
2006年 日本橋三越本店で、5人展。以後、石川県内外で個展、グループ展を重ねる
2011年 日本民藝館展 奨励賞
2012年~会津漆器技術後継者訓練校 塗り専攻講師
2014年 画家、花澤武夫氏とともに東京・アレキサンダー・マックイーン青山店内にアートワーク「A Funky Space Reincarnation」を制作
2015年 福島県立博物館で「漆の記憶」展
10月2日(土)から11日(月)、16日(土)、17日(日)の12日間、京都市のギャラリー・やなせさんでお弟子さんの菊地遥香さんと2人展を開催中です。新作もご披露されるそうです。※詳しくは冨樫さんのインスタグラム@nushi.ichitomiをチェック!
今月のフィンガーフード
~栗のプリン~
手軽にできておつまみにもピッタリ、そして見た目も可愛いフィンガーフード。今月は秋の味覚の王様、栗でプリンを作ってみましょう。ニューヨークの日本食料品店や日本のコンビニや100均で簡単に手に入る、むき甘栗を使う、とても簡単なレシピです。手土産にしても喜ばれますよ。
【材料4人分】
・むき甘栗 1袋(100g前後)
・牛乳 300cc
・練乳 75g(好みで調整する)
・卵 1個
・ゼラチン 5g(30gの水でふやかす)
・水 小さじ1
【作り方】
①ボウルに練乳と卵を入れてよく混ぜる
②ミキサーに牛乳300ccの中から100ccだけを入れる
③甘栗は、飾り用にきれいなものを40gほど選びとっておく。残りの60gを耐熱容器に入れ、水小さじ1をかけ、ラップをして約30秒レンジにかける
④加熱した栗を水ごと②のミキサー(ハンドブレンダーでもよい)に入れ、細かく砕く
⑤④を①のボウルに入れ、よく混ぜ合わせる ⑥小鍋に残りの牛乳200ccを入れ、沸騰しないように温める。牛乳が温まったらゼラチンを入れてよく溶かす
⑦ゼラチンが溶けたら粗熱を取り⑤のボウルに入れて混ぜ合わせる
★口当たりを滑らかに仕上げたい場合は、ここで一度漉すとよい。
⑧容器に⑦を均等に入れ、冷蔵庫で冷やし固める。1~2時間で固まる
⑨固まったら生クリームを絞って、その上に飾り用に取り置いた栗をトッピングして出来上がり。金粉やハーブなどを飾ってもよい
今月使ったおすすめアイテム
みそマドラー
Leye (レイエ) Miso Muddler 18ドル Amazonの価格
わが家には欠かせないキッチングッズ「みそマドラー」をご紹介します。一時帰国時に偶然見つけて買ってみたのですが、今では毎日愛用するお気に入りに。使い方は簡単で、おみその中に直接グサッと刺してくるりと回し、写真のように直接お鍋に入れてフリフリと溶かすだけ。みそ漉しよりも簡単で、味も一定になるので便利です。また、ちょっと泡立てたいときや、溶き卵にするときも使えます。日本だけでなく米国でも入手できます。ぜひお試しあれ。
筆者:大石育子
インテリアコーディネーター、食空間プランナー、英国式紅茶インストラクター。日本フィンガーフード協会認定講師。食空間プロジェクト(FSPJ)認定サロン、初級ディプロマ発行校Atelier de Ikuko New York主宰。「東京ドーム・テーブルウェアフェスティバル」特別審査部門で2019、2020年と2年連続入選、2020年、テーブルウェア・コーディネート部門入選、特別審査部門・奨励賞受賞。日本クラブカルチャー講座講師。
https://lit.link/atelierdeikukonewyork
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