カキの幼生、ハドソン川に付着
汚染された水質の浄化目的
ニューヨーク市内の汚染された河川の水質を改善するために進められている計画の一環として、水質浄化作用を持つカキの幼生1120万匹が過去6カ月間でローワーマンハッタン沖のハドソン川に沈められていた。ニューヨーク・タイムズが10日、報じた。
7月から始まった計画では、トライベッカ沖のピア26と34の間の潮下帯に沈む金属球やかご、メッシュラップなど200を超える生息地にカキの幼生を付着した。水質浄化と同時に、他の海洋生物のための生息地も生み出され、カキ礁が拡大。波力エネルギーを放散する役割も果たし、高潮や異常気象による洪水から、海岸線を保護するのにも役立つという。州からの資金150万ドルをかけた計画は、ハドソン・リバー・パーク・トラストやニューヨーク州環境保全局、エンジニアリング会社のモファット・アンド・ニコルが考案した。
カキの幼生は、2035年までに10億匹の生きたカキをニューヨーク港に復元することを目指す非営利団体ビリオン・オイスター・プロジェクトが提供した。同団体は14年の設立以来、すでに7500万個のカキを同地域に復元したという。ハドソン川の水質は、何世紀にもわたるゴミや下水、産業廃棄物で汚染されており、生育後のカキは食用には適さない。ただ、この地域の水質は着実に改善され始めている。
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