米大統領「自衛隊派遣を」

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共同通信
1991年5月、ペルシャ湾入りし、アラブ首長国連邦のドバイへ向かう海上自衛隊の掃海部隊(共同)

 1990年8月の湾岸危機の際、ブッシュ(父)米大統領が海部俊樹首相に対し、自衛隊による米軍の後方支援を求めていたことが22日公開の外交文書や元政府高官の証言で分かった。米大統領が自衛隊派遣を働き掛けた事実は公表されていなかった。日本は派遣に応じなかったものの、戦後貢献策としてペルシャ湾で掃海艇を展開した。

 90年9月29日の日米首脳会談を記録した極秘公電によると、ブッシュ氏は多国籍軍の対イラク攻撃を念頭に「日本がFORCES(自衛隊)を参加させる方途を検討中と承知している。有益であり、世界から評価される」と首相に伝達。中東への自衛隊派遣を求めた。

1990年9月、ニューヨークのホテルでブッシュ(父)米大統領(左)と会談する海部俊樹首相(AP=共同)