連載688  コロナ禍はオミクロン株出現で収束する可能性が。 WHOの言うことを聞いてはいけない!(完)

連載688  コロナ禍はオミクロン株出現で収束する可能性が。
WHOの言うことを聞いてはいけない!(完)

(この記事の初出は2021年12月14日)

 

活動資金は民間頼みでゲイツ財団が2位

 国連の専門機関であるWHOは、その活動資金を加盟各国の分担金と国際機関や民間の寄付金に依存している。しかし、その財政は慢性的に逼迫している。各国の分担金は何年もの間、実質的に増えていないからだ。
 そのため、WHOとしては、民間の寄付に頼らざるをえなくなっている。しかし、それには限界がある。
 そのため、テドロスは、権力を強化させて、各国の分担金の引き上げを狙っている。
 WHOの最大出資者はアメリカであり、分担金・寄付金ともに最大だ。WHOの事業予算に占める拠出額の割合は、アメリカ15.9%で1位、ビル・ゲイツのビル&メリンダ財団が9.4%で2位、イギリスが7.7%で3位となっている。ちなみに、日本は3.2%で7位、中国は1.5%で14位である。
 このビル・ゲイツの財団が9.4%で2位ということが、WHOの予算の脆弱性を象徴している。なぜなら、あのトランプはWHOを脱退しようとしたからだ(バイデンが元に戻した)。脱退すればビル・ゲイツの財団が1位となり、テドロスは身動きがつかなくなる。
 実際、テドロスはCOVAX(コバックス:新型コロナウイルスワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組み)で主導権を握ろうとしたが、ゲイツ財団に締め出されたという(「ニューヨーク・タイムズ」報道)。

このままWHOの言いなりになっていいのか

 いずれにせよ、WHOとテドロスに新型コロナ対策の主導権を握らせたら、長期化は必須である。このままオミクロン株の脅威が強調され、私たちはワクチン漬けになるのは間違いない。
 前記したように、12月12日、 WHOはオミクロン株について、いずれデルタ株はオミクロン株に置き換わるという最新の知見を公表した。これは、これまで各国から寄せられたデータをなぞって、それを論評しただけ。つまり、現状のコロナ対策をやめる気はさらさらないというものだった。
 この程度の知見なら、誰でもできる。これが、世界の専門家の集団、世界の英知の結果かと言いたいが、いまのところ、世界各国はWHOの方針に追随している。しかし、振り返ればWHOは、今回のパンデミックに対して、なにか抑止になることをひとつでもしただろうか。
 はたしてコロナ禍はいつまで続くのか?
 すでに、ゲイツが言うように季節性のインフルエンザと同じになっているのではなかろうか? そう思わざるを得ないが、どうだろうか。
(了)

 

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山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

 

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