ホームドア設置に消極的―MTA
突き落とされる事件頻発も
ニューヨーク市では、ミシェル・ゴーさんが今月15日、タイムズスクエア駅でホームレスに線路に突き落とされ死亡した事件を受け、ホームドア設置の必要性が叫ばれている。しかし、ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、プラットホームから線路への転落を防止するホームドアの導入に消極的だ。ゴッサミストが27日、伝えた。
市警(NYPD)によると、2020年に26人が、21年に30人が線路に突き落とされた。MTAは17年、コンサルティンググループ「STV」に、472の全地下鉄駅で、ホームドアを設置するにあたり、実現可能性と費用に関する調査を委託し、19年に報告書を入手した。
今月27日に公開した報告書によると、ドアを設置できるのは128駅のみで、費用は約70億ドル、現在のMTA資本計画の約14%にあたる。71駅のバリアフリー化(50億ドル)、7路線の電子信号の変換(70億ドル)、地下鉄とバスそれぞれ約2千台の新車両の購入などの予算は既に計上されている。
調査では、①154駅でドアと車いす用アクセスの両方を設置するにはホームが狭すぎる、②多くの地下鉄車両やホームの縁端の形状は、ホームと車両の間に大きな隙間が生じる、③大多数の駅で、支柱が設置の邪魔になる―などの問題が指摘された。MTAのヤンノ・リーバー局長はこのほど「この問題に関し、再度調査している」とのコメントを発表した。
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