ブースター接種、遅れる米国の現状
政党支持とは無関係
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種となるブースター接種を巡り、ニューヨーク・タイムズは7日、米国の接種スピードがカナダや欧州各国と比べて遅れている現状と背景を解説した。接種を奨励する健康管理システムがないことに加え、国民に接種の必要性を分かりやすく説明する難しさを挙げている。
1月末時点のデータによれば、米国のブースター接種率は30%に到達していない。ベルギーや英国、ドイツ、オランダ、フランスの欧州各国は45%を超えており、お隣のカナダも45%目前に迫っている。主要国の中で、米国より劣っているのは、ワクチン接種の開始が大幅に遅れた日本ぐらいだ。
非営利団体「カイザー・ファミリー財団」によると、ワクチンを一度も接種していない人は共和党支持者に多いものの、ブースターを接種していない人には、共和党支持者のみならず民主党支持者や無党派層もいて、人種も様々という。
米国には、台湾のような一元的な記録システムもなく、カナダや北欧のような国民皆保険制度もないため、接種を督促できないと分析。自らの健康管理について定期的に相談する仕組みもないとしている。また、専門家ではない国民がいかに混乱するかを認識せずに専門家が学術的な言葉で説明するため、国民とのコミュニケーションを難しくしているとも指摘している。
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