ニューノーマルへの移行は「時期尚早」
慎重なバイデン政権に懸念の声も
ニューヨーク州などで「ニューノーマル」への移行が始まる中、バイデン政権はマスク着用に関するガイドラインを当面維持する考えであることを9日、ニューヨーク・タイムズが伝えた。
ファウチ主席医療顧問は「状況は依然予測不可能」と警告。米疾病予防センター(CDC)のワレンスキー所長も「時期尚早だ」と慎重な態度を続けている。ホワイトハウスは同日、専門家を集め、今後取るべき措置について協議した。新しい変異株の出現や感染急増の可能性もあるとしている。足元では新規感染者(7日間の移動平均)が同日時点で25万3000人。1月中旬の80万人を大きく下回る。入院患者も減少しているが、遅れて生じる死者数はいまだに増えている。
バイデン氏が慎重なのは昨年6月「(2021年の)独立記念日は、コロナからの独立を宣言するのに最も近い」とコロナへの勝利宣言を先走ったことへの反省があるのかも知れない。その後オミクロン株が出現した。広い米国では各地で状況が異なり、画一的なガイドラインを出すのが難しいという事情もある。慎重にならざるを得ないというのも理解できる。
しかし、このままでは先行する州政府に対し、連邦政府の存在意義がなくなると懸念する声もある。「規制を解除するためのガイドラインを示すべきだ」「ニューノーマルに向けた戦略を明らかにすべきだ」とする医療専門家もいる。
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