地下鉄駅にホームドア
MTA、3カ所に試験的設置
ニューヨーク州都市交通局(MTA)は3つの地下鉄駅構内にホームドアを試験的に設置する。23日、ニューヨーク・タイムズが報じた。
MTAは過去数年、現在の地下鉄は古いためホームドア設置は「技術的に困難」としてきた。タイムズスクエア駅で女性がホームに突き落とされて轢死する事件が起きたのが1カ月以上前。ついに重い腰を上げた。設置するのは、7番線のタイムズスクエア駅、E線のサットフィン・ブルバード駅、L線のマンハッタン三番街駅。成功すれば他の駅にも導入する。MTAによると、全体の4分の1の駅で設置が可能だという。
ホームドアは日本ではおなじみ。転落防止効果が高いという日本での調査結果がある。駅に近づく際、不必要にスピードを落とす必要がない、線路にゴミが落ちないなど、サービス向上にも役立つ。米国ではジョン・F・ケネディー空港のエアトレインなどごく一部の公共交通機関に導入されているに過ぎない。
昨年、線路内立ち入りは1267件と19年より19%も増えた。突き落とされたのも20件から30件に増加している。市長らはホームレスを排除するなど安全策を講じてきており、今回のホームドア設置に踏み切った。ただし、3カ所の設置だけでコストは1億ドル。完成も24年以降になる見込み。