強制不妊、国に再び賠償命じる

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共同通信
旧優生保護法訴訟の控訴審判決を受け、東京高裁前で「逆転勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士=11日午後2時4分

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制されたのは憲法違反として、東京都の北三郎さん(78)=仮名=が国に3千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(平田豊裁判長)は11日、旧法を違憲と判断し、国に1500万円の賠償を命じた。請求を棄却した一審東京地裁判決を変更した。2月の大阪高裁判決に続き、国への賠償命令は2件目。

 旧法を巡る訴訟は全国9地裁・支部に起こされ、既に判決が出た5地裁はいずれも賠償請求を退けた。控訴審で一転、国への賠償命令が続いたことで被害救済の議論に影響を与えるのは必至だ。

旧優生保護法訴訟の控訴審判決を前に、東京高裁へ向かう原告の北三郎さん(仮名、右から3人目)ら=11日午後1時12分
東京高裁などが入る裁判所合同庁舎=東京・霞が関