アジア系高齢者の75%「外出したくない」
ヘイトクライムに恐怖、社会的孤立も
30年の活動実績を持つ非営利団体「アジア系米国人シニア労働連盟(SWG)」が22日明らかにした調査によると、アジア系住民を狙ったヘイトクライムが相次いでいるため、75%の高齢者が恐怖を感じ、家から出たくないと感じていることが分かった。amニューヨークが23日、伝えた。
調査は、アジア系高齢者153人と15の組織を対象に実施。高齢者の3分の1以上が、家族や友人、隣人と日常的に連絡を取っておらず、社会的孤立が進んでいる実態も浮かび上がった。SWGによると、アジア系の高齢者は、ヘイトクライムからの保護を最優先事項として挙げているという。
SWGは調査を踏まえ、高齢者コミュニティを支援するため政策提言を発表。ヘイトクライム対策をはじめ、精神衛生や社会的孤立への対処、シニアセンター支援や食事・社会サービスプログラムの充実などを盛り込んだ。
SWGの関係者は「アジア系米国人の高齢者は、ニューヨーク市で最も急速に増加している高齢者人口の1つだ。パンデミックによる影響が広がる中、彼らを支援・保護するインフラは驚くほど少ない」と指摘。アジア系高齢者は英語力が乏しいため、政府のメンタルヘルスサービスなどからも置き去りにされているとされる。今後は、ニューヨーク市に対し、アジア系の高齢者が望む支援を拡大するよう求めていくという。
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