英才教育「G&Tプログラム」拡大へ
狭き門は変わらず
ニューヨーク市のアダムズ市長は14日、英才教育「ギフテッド&タレンテッド(G&T)プログラム」を拡大すると発表した。幼稚園児を100人増やして2500人にするほか、小学3年生も1000人増やし、全ての学校区で実施する。同日、ニューヨーク・タイムズが報じた。
幼稚園児はプレキンダーの教員が推薦し、抽選で決める。2021−22年度に導入された方法だ。それまでは、4歳児に選択試験を実施していたが、貧困層や有色人種の子供に不利との批判もあった。公立校の生徒の70%は黒人及びラテン系だが、G&Tプログラム参加者の75%は白人かアジア系。英語や算数など基本4教科の成績が学校中のトップ10%にある小学2年生にも応募資格が与えられ、抽選で決定される。アダムズ氏は「全ての生徒に公平な機会を与える」と説明している。
G&Tプログラムはエリート中学・高校への近道。ただし、市内に幼稚園児は7万人以上。狭き門であることは変わらない。「数を増やしただけでは、多様性は確保されない」「全ての学校教育の質の向上に注力すべきだ」との声も上がっている。デブラシオ前市長は廃止の方針を打ち出したが、アダムズ氏は選挙戦で拡大と選択試験廃止を公約。今回、その公約を果たしたかたちだ。
2022−23年度の申し込みは5月31日から受け付ける。
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