後部と中央のドアを開けるな!
MTA、無賃乗車対策でバス運転手に指示
ニューヨーク州都市交通局(MTA)がバスの運転手に対し、乗降時に車両後部と中央にあるドアを開閉させないよう指示していることが明らかになった。ニューヨークポストが8日、報じた。
新型コロナウイルスの感染拡大以後、MTAのバスと地下鉄で無賃乗車が急増しているための対策。MTAの全バス運転手向けに送付された6日付のメモによれば、緊急事態など必要な場合を除き、二つのドアを自動的に開閉するスイッチを使用してはならないと定めた。恒常的に支払わない人に対し、運転手が視認できる前のドアから乗り降りさせることを狙っている。
これらのドアから出たい乗客は、自ら手動で開ける必要がある。ただ、限られた停留所にしか止まらない「セレクト・バス・サービス」路線については、今後も後部と中央のドアは、自動的に開閉するとしている。MTAの最新調査によると、市内バス利用者の30%近くが料金を支払っていないとされ、コロナ禍前の2019年末時点の20%強から急激に増えた。
これに対し、バス運転手でつくる組合幹部は「運転手自らが後部ドアを開けることはほとんどなく、愚かなメモだ」と批判。「後部ドアから乗ってくる人がいるのは、降りる人がたくさんいるためだ。バス運転手は大変な仕事であり、運賃の取り締まりはバス内での暴行やけんかにつながる」と警告している。
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