財政再建、自民に路線対立

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共同通信

 岸田文雄首相直轄の自民党財政健全化推進本部は20日、基礎的財政収支の黒字化目標を堅持するとの提言をまとめた。一方、安倍晋三元首相が最高顧問を務める別組織は積極的な財政出動を主張。夏の参院選を前に、提言の文言を調整し決定的な対立は避けたが、両陣営の間には深い溝があり、財政運営の火種は今後もくすぶりそうだ。

 「日銀は政府の子会社だ」。安倍氏は9日、国債の大量購入を続ける日銀をこう位置付けた。大量購入は、長期金利が上昇して国の利払いが膨らむのを防ぐ効果がある。安倍氏の発言には財政規律や日銀独立性の軽視と批判が集まるが、党内の積極財政派は勢いづく。