芭蕉、幻の自筆稿を再発見

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共同通信
松尾芭蕉「野ざらし紀行図巻」(部分、福田美術館所蔵)

 江戸時代の俳人、松尾芭蕉(1644~94年)の最初の紀行文「野ざらし紀行」の挿絵入りの自筆稿を購入したと、福田美術館(京都市)が24日発表した。写真が残され存在は知られていたが、長年所在不明だった幻の資料。再発見は研究を進める上でも意義が大きい。同館などが10月から開く企画展で公開する。

 「野ざらし紀行」の自筆稿はほかに、天理大付属天理図書館(奈良県)所蔵の挿絵のない「天理本」しか確認されていない。再発見されたのは長さ約15メートルの巻物。〈山路来て何やらゆかしすみれ草〉などの句を交えた紀行文に加え、旅先の風景も芭蕉が描いたと考えられ、彩色もされていた。