アジア系企業への救済措置不十分
コロナ禍導入のPPP融資で地域差
ニューヨーク市内のアジア系企業が、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた連邦政府の救済措置を十分に受けられていない実態が、アジア系米国人連合会の新たな報告書で明らかになった。NY1が23日、伝えた。
報告書で引用されたデータによれば、パンデミック後に政府が導入した「PPP融資」を巡り、アジア系住民が多いクイーンズ区フラッシングと、街の高級化が急速に進むブルックリン区グリーンポイントを比較したところ、提供を受けた企業の割合はグリーンポイントが2倍以上の差を付けていた。
PPP融資は、コロナ禍で経済的な影響を受けた中小企業向けの財政支援策。コロナ前、アジア系企業は主に外食産業や洗濯サービス、小売業、衣料品製造業などの分野で、急成長を遂げていた。オーナーがスタッフを雇用しないアジア人経営の非雇用型ビジネスは、2012~2017年で31%増えており、他の人種が展開するビジネスよりも上回っていた。
研究者は、地域ごとの貧富の差に加え、多くのアジア系企業が金融機関と長年の付き合いがないことが背景にあると分析している。アジア系米国人連合会の関係者は「銀行と良好な取引関係を築いていれば、ローンを申し込むのも簡単だ」と強調。アジア系企業の支援に向けた政策提言として、中国語や韓国語以外の言語での資料提供などを掲げた。
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