石綿の現場運送で初の和解、大阪

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共同通信
大阪地方裁判所=2020年10月

 アスベスト(石綿)を含む建材を建設現場へ運送する業者だった兵庫県尼崎市の浜口保さん=当時(62)=が石綿を吸い込み、中皮腫を患って死亡したとして、遺族が国と建材メーカーに損害賠償を求めた訴訟は3日、大阪地裁で国と和解した。弁護団によると、国が和解金1300万円を支払う。建設現場に出入りしていた運送業者の和解は「初めて」としている。メーカーとの訴訟は続く。

 浜口さんは建材メーカー系列の運送会社で石綿を含む建材を建設現場に搬入していた。16年に悪性胸膜中皮腫を発症し、17年に労災と認定された。21年10月に提訴したが、今年2月に死亡し、遺族が訴訟を承継した。