州議会、遺体を堆肥化する法案可決
1カ月半かけ、微生物により分解
ニューヨーク州議会は今月初め、人間の遺体の堆肥化を認める法案を可決した。可決を受け、ホークル知事が法案を審査している。米国内では、ワシントン州のほか、オレゴン、コロラド、バーモントの各州で、既に堆肥葬が認められている。NY1が9日、報じた。
堆肥化の過程で、遺体は木片が敷き詰められた容器の中に置かれた後、木片を被せられる。容器は密閉され、容器内の温度と湿度は定期的に監視。数週間かけて定期的に容器を回転させ、微生物により分解される。約1立方ヤードの土ができ、約800ポンド(約363キロ)の堆肥になる。
ワシントン州にある堆肥葬専門の葬儀社「リコンポーズ」によると、遺体が土になるまでに約1カ月半かかるという。同社顧客の中には、少量の土を引き取り、残りを保護森に寄付する遺族もいる。ワシントン州では、堆肥に病原菌が混入していないか確認するため、第三者による土壌検査が行われる。今回の法案では、ニューヨーク州の墓地課が独自の検査プロセスを構築するよう求めている。
この法案の支持者らは「堆肥葬は環境に良いだけでなく、従来の埋葬よりも価格が手頃」と強調。一方、州葬儀屋協会は、許可申請ができるのが墓地に限られるとして反対に回っている。カトリック教会も「尊厳をもって人体を扱っていない」と批判する。
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