R&B歌手のケリー被告、禁錮30年
地位を利用、数十年にわたり性的虐待
米R&B歌手R・ケリー被告(55)が自らの名声や地位を利用し、数十年にわたり性的虐待を繰り返したなどの罪に問われた訴訟で、ニューヨーク・ブルックリンの連邦地方裁判所は6月29日、禁錮30年の判決を言い渡した。検察側は禁錮25年を求刑していた。ニューヨーク・タイムズなど各メディアが報じた。
ケリー被告は昨年9月、計9件について有罪との評決を受けていた。アン・M・ドネリー裁判長は「被告が犯したことよりも、深刻な犯罪は存在しない。被告は、愛とは奴隷状態であり、暴力であるということを教えたのだ」と指弾し、少女や女性を蹂躙していたと指摘。「被告は、彼女らを自分の軌道に誘い込み、彼女らの人生を支配するようなシステムを築き上げた」と非難した。
判決を読み上げられても、ケリー被告は何の反応も示さなかったという。裁判所の外では、被害者らが安堵の表情を浮かべた。ケリー被告の弁護人は、判決を不服として控訴する意向を示した。ケリー被告は1990年代~2000年代に「I Believe I Can Fly」や「Ignition (Remix)」などでヒットチャート上位の常連に君臨。グラミー賞を3度受賞した。
判決などによると、ファンやミュージシャン志望の女性への接近を繰り返し、性交渉を強要。裁判には、11人の被害者を含め45人の証人が出廷した。2010年代後半から、音楽業界ではケリー被告の性的虐待がささやかれていた。
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