ロックランド郡のポリオ患者 イスラエルおよび英国の例と遺伝的関連

 

 

ロックランド郡のポリオ患者

イスラエルおよび英国の例と遺伝的関連

 

ポリオウイルス粒子のTEM電子顕微鏡像

 

 ニューヨーク州保健局は1日、ロックランド郡で確認されたポリオ患者から採取されたサンプルが、イスラエルと英国で採取されたものと遺伝的関連があることが判明したと発表した。また、6月に同郡の排水から発見されたポリオのサンプルとも関連があった。ゴッサミストが同日、報じた。

 州保健局は、ロックランド郡でのポリオ患者を確認後、排水の調査を開始した。ニューヨーク市立大学(CUNY)公衆衛生大学院のデニス・ナッシュ疫学教授は、今回の調査結果は、ウイルスが以前から地域社会に存在していたことを示すと説明。同郡に居住、通勤・通学、訪問するワクチン未接種者は感染リスクが最も高いとし、幼児や妊婦を含む未接種者に接種を呼びかけた。現在、同郡の2歳児のポリオワクチン接種率は60.5%と、州全体平均の79.8%を下回る。

 ポリオは非常に感染力が強く死に至る可能性があるが、ワクチンの普及により現在は極めてまれ。症状は軽く、インフルエンザのよう。潜伏期間は最大30日で、無症状でも感染の可能性はある。

 自然発生株は世界的に根絶されたが、経口ワクチン由来の株は存在し、今年、初夏に英国で発見された。ロックランド郡の事例は、13年以来米国で初の経口ワクチン由来のポリオ事例となった。今回の症例は、ワクチン接種者にはリスクが低く、完全接種後は100%に近い予防効果があるという。

 


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