教員残業代、二審も認めず

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共同通信
判決を受けて「不当判決」の垂れ幕などを掲げる原告の支援者ら=25日午後、東京高裁前

 埼玉県の公立小学校で校長命令に基づき、法定労働時間を超えて時間外労働をしたのに残業代をもらえないのは違法として、男性教員(63)が約240万円の賃金支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は25日、訴えを退けた一審さいたま地裁判決を支持し、教員側の控訴を棄却した。

 矢尾渉裁判長は一審と同様に、教員の職務は「自発的な業務と、校長の指揮命令に基づく業務を正確に峻別することは困難」とし、厳密な時間管理を前提とする割増賃金制度は教員になじまないと指摘。こうした事情から給特法で教職調整額が支給されているとして残業代の請求を退けた。