「胸やけ薬の服用でがんを発症」
20人、ファイザーらを一斉提訴
胸やけ薬「ザンタック」(ラニチジンの商品名)を服用した結果、がんになったとして、20人のニューヨーク市民が12日、製薬大手ファイザーらに対する民事訴訟を一斉に起こした。危険性を認識していたにもかかわらず、警告や追加治験などを行わなかったと主張。虚偽広告や警告をしなかったことなどに対する過失を唱えている。パッチが13日、伝えた。
訴状によると、ファイザーと他の製薬会社は薬の危険性を無視する形で、年間10億ドルを売り上げたと強調。ザンタックが、発がん性の有機化合物「Nーニトロソジメチルアミン」(NDMA)に変化する可能性があることを医師や購入者らに警告しなかったとしている。
米食品医薬品局(FDA)によれば、NDMAの1日当たり許容量は96ナノグラム。訴状では「ザンタックの1回服用で、研究者は300万ナノグラム以上のNDMAを発見している」と訴えている。訴訟に参加した20人は、全員がぼうこうや大腸、前立腺などのがんに冒されているという。がんと診断された後も危険性を知らず、最近になって危険性を知らされたとしている。
2019年に研究者が、ラニチジンがNDMAに変化することを発見。FDAは翌20年、ザンタックの販売を禁じた。ファイザー社は、パッチがコメントを求めたものの、応じなかった。
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