NYで性的暴行被害が急増
市警の被害者対策研修に不備
新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きを見せて以来、ニューヨーク市で女性暴行事件の件数が急増している。市警(NYPD)は事態を極めて深刻に受け止めているものの、被害者対策を巡る警察官の研修体制に不備があると、ゴッサミスト(25日付)が伝えている。
ニューヨーク市の調べによると、今年6月までの会計年度では、性的暴行事件の報告が前年と比べ60%以上増加した。これに対し、NYPDが被害者の心的外傷後ストレス障害 (PTSD)への配慮を学ぶための2022年度の研修時間は720時間にとどまっており、前年度の約6千300時間から89%減少した。
NYPDは被害者対策を巡る連邦政府の調査対象となっており、政府に全面的な協力を約束。研修が大幅に減った理由について「パンデミック初期以降に警察官となった人たちが、初期研修を受けられなかったためだ」と釈明する。乱暴事件は、被害者が親告しにくいため、実際に起きた件数はさらに多いとみられる。
被害者保護団体によれば、パンデミック最盛期は、人々が外出を控え、人との接触を避けていたため、一時的に暴行は減少。ただ、再び外出するようになり人との交流が増えてからは、増加しているという。団体の関係者は「被害者が警察で被害届を出そうとした際、警察官が敏感に反応し、彼女らのトラウマ経験を理解することが非常に重要だ」と指摘している。
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