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共同通信
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奈良市の薬師寺から出土した陶製品の破片が、日中戦争時に愛国運動として開催されたグライダー大会の記念品とみられることが3日、分かった。戦時中で金属使用が制限される中、若き陶芸家が生み出したメダルだった。奈良文化財研究所が成果を紀要に報告した。太平洋戦争後に陶芸家の窯が薬師寺敷地となり、造成で未完成のメダルが紛れ込んだとみられる。
外形と表面の文様を型抜きした素焼きの破片で、12年度までに薬師寺白鳳伽藍の西北で発見。円形製品の一部とみられ、「日本帆走」「飛行聯盟」「生駒製」「五九八」の文字のほか、ギリシャ神話のイカロスがモデルとみられる腕や翼の模様もあった。