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共同通信
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作家の太宰治が、芥川賞を巡り怒らせてしまった選考委員の佐藤春夫に宛て「先生。弱いものいぢめてはいけません」などと叱らないよう嘆願する手紙が確認されたことが4日、分かった。
佐藤の遺族宅から見つかった。太宰は佐藤の弟子を自任しており、調査した東京大の河野龍也准教授は「相手の懐に入り甘えてみせる太宰の自己演出の方法や佐藤への信頼が分かる」と話している。
手紙の消印は1936年10月7日。太宰は直前に文芸誌「新潮」に発表した「創生記」で、佐藤が太宰に芥川賞を与えることを約束していたかのように記述していた。それを読んで怒った佐藤に太宰が手紙をつづったとみられる。
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