車輪止めで交通違反の罰金徴収強化
3億ドル超が未払い
ニューヨーク市保安官事務所は車輪止めを使い、コロナ下で中止していた交通違反の罰金徴収を強化している。11日、ザ・シティが報じた。
対象となるのは、駐車違反、スピード違反、赤信号無視など。同事務所は2020年3月から罰金の徴収を一時止めていたが、今年3月と7月に罰金支払いを求める通知を送付した。未払い額は3億1000万ドルを超える。そこで8月からは車輪止めの使用を増やし、先月だけで1万1232台に取り付けた。21年9月には3345台、20年同月には1台に過ぎなかった。この実力行使は効果を上げている。この8月、9月の罰金徴収額はそれぞれ1100万ドルを超え、14年以来最高額を達成した。財政難に直面する市にとっては朗報だ。
車輪止めが取り付けられるのは350ドル以上の罰金徴収を無視した場合。2営業日内に支払わないとレッカー車で移動される。16ポンドの装置を取り外すには罰金に加え、装置代136ドル、処理費80ドルおよび罰金や費用の5%を支払うことが必要。装置の返却が遅れると1日25ドルの延滞料がかかる。マンハッタン区マーブルヒル在住のエミリーさんは先週、車に車輪止めを取り付けられた。コロナ下で職を失い罰金が払えずにいたという。「近所で車輪止めをよく見かける。皆同じ理由なのに」と納得できずにいる。
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