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共同通信
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これまでに約1万人のカウンセリングを担当してきた公認心理師の谷家優子さんが、阪神大震災を生き残ったことで抱いた自身の罪悪感「サバイバーズ・ギルト」を描いた「こころに傷を負うということ」を出版した。谷家さんは「自分の体験を語るのに20年以上の時を要した。『語りたいのに語れない』各地の被災者たちが自分の言葉で語り始めるきっかけになれば」と話す。
書籍では、育児に奔走しながら被災地を生き抜いた経験を語りつつ、心理師としてのレンズを通し、当時抱いた感情を精緻に自己分析した。災害のサバイバーに必要なケアや、回復を妨げる「スティグマ(偏見)」の問題についても論じた。