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共同通信
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【ワシントン、東京共同】日本政府は4日、中国を念頭に、先端半導体技術の軍事転用を阻止するための輸出規制を実施する方針を固めた。特定の製品や技術を輸出する際に経済産業相の許可が必要となる外為法の省令を改正し、日本が強みとする製造装置が半導体の開発や製造に利用されないようにする。省令改正案を近く公表。企業などから意見を公募し、今春にも規制策を導入する。
バイデン米政権が昨年10月に発表した広範な規制強化に日本も協力することで合意しており、具体的な実施方針を決めた形だ。複数の政府関係者が明らかにした。台湾有事のリスクが高まる中で、軍事力に直結する半導体のハイテク覇権争いが激化している。一方で、規制は中国を名指しせず、報復措置を招かないよう配慮する。
米国は回路線幅14ナノメートル以下の半導体の先端技術を主な規制対象とした。日本の省令改正も類似の対象品を想定する。バイデン政権の規制強化で米国の技術を用いた製品の対中輸出は禁じられているが、米国の技術がない場合にも対象を広げ、抜け穴をふさぐ。