22年の実質賃金、2年ぶり減

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共同通信
実質賃金と名目賃金の前年比増減率推移

 厚生労働省が7日発表した2022年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価を加味した実質賃金は前年比0.9%減と2年ぶりのマイナスになった。基本給や残業代などを合わせた1人当たり現金給与総額(名目賃金)は月平均2.1%増の32万6157円で2年連続プラス。31年ぶりの大幅な伸びだが物価高に追い付かなかった。

 給与総額は、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ賞与などの反動増が影響。コロナ禍からの経済回復も背景にある。

 同時公表の22年12月の給与総額は前年同月比4.8%増の57万2008円。プラスは12カ月連続で、25年11カ月ぶりの伸び率の大きさだった。

 12月は実質賃金も9カ月ぶりに増加。賞与増のほか「インフレ手当」の支給が押し上げたとみられる。厚労省は「12月は一時的で、当面は実質賃金のマイナス傾向が続く」との見方を示した。

 22年の給与総額のうち、基本給などの所定内給与は1.2%増の24万8603円。残業代などの所定外給与は5.0%増の1万8933円だった。