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共同通信
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【アダナ共同】折り重なるがれきを憔悴した女性(45)が見つめていた。「母がまだ下に…」。後の言葉は続けられなかった。トルコの大地震で倒壊した南部アダナの14階建て集合住宅。20世帯以上が入居していたという。「何日かかっても、ずっと待つ」。行方不明者の家族たちは7日午後も続いた捜索活動を祈るように見守っていた。
「音を立てないで!」。救助隊が叫び、がれきを除去する重機が運転を止めた。静寂が広がる。「聞こえますか? 誰かいませんか」。下敷きになっている人の気配を感じると、こうして慎重な確認を行う。だが誰も見つからず作業が再開されることの方が多いという。