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共同通信
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地震や豪雨など災害時の安否不明者の氏名公表に関して、自治体向けの統一基準を初めて盛り込んだ国の指針案が7日、判明した。救助活動を迅速に進めるため、家族の同意なく原則公表するとした。現在は自治体に判断が委ねられ、個人情報保護の観点から公表しないケースもある。ただ2021年に起きた静岡県熱海市の土石流災害では、公表が捜索対象者の絞り込みにつながったこともあり、人命優先の対応が必要だと判断した。
公表後に家族から申し出があった場合は、非公表に切り替える。パブリックコメントを経て、3月に正式決定。自治体の個人情報保護を巡っては、デジタル改革関連法に基づき今年4月から全国共通のルールが適用されることになっており、指針案は各自治体の運用に反映される見通しだ。
災害時の捜索では発生から72時間を過ぎると、生存率が急激に低下するとされる。指針案は、安否不明者の氏名公表により、実際は安全な場所にいる人が早期に確認できれば、捜索する場所を絞り込めるとしている。