原発回帰の姿勢、より鮮明に

Published by
共同通信

 原発活用に向けて政府が通常国会に提出する関連法の改正案が8日、分かった。原子力利用の原則を定めた原子力基本法には、原発活用による電力の安定供給の確保や脱炭素社会の実現を「国の責務」と明記。これまで上限としてきた60年を超える運転を可能にする運転期間の規制は「原子力の安定的な利用を図る観点から措置する」とし、原発回帰の姿勢を鮮明にした。

 電気事業法や原子炉等規制法など5本をまとめた「束ね法案」で、政府が自民党会合で示した。今月下旬にも閣議決定した上で、通常国会に提出する。

 「原則40年、最長60年」としてきた運転期間は、原子炉等規制法から電気事業法に移管。上限を維持した上で、2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、安全規制への対応や行政指導、後に取り消された行政処分や裁判所の仮処分命令などで停止した期間を、運転期間の計算から除外できるとした。

 原子力基本法に、国や事業者が安全神話に陥り、福島第1原発事故を防げなかったことを真摯に反省することを基本原則として盛り込んだ。