NYの象徴、インパクトの強いロゴ 「I Love NY」作成、グレイザーとは?

 

 

NYの象徴、インパクトの強いロゴ

「I Love NY」作成、グレイザーとは?

 

市内の土産店で売られているI Love NYグッズ(16日撮影=本紙)

 

 Tシャツにパーカー、マグカップ・・・。ニューヨークの街中で、自然と目に入り、一度見たら頭を離れることがないロゴは、多くの人が思い浮かべるだろう。「I Love NY 」。文字ではなく、真っ赤のハートマークで表す「Love」が鮮やかさを一段と醸し出す。

 考案したのは、ブロンクス出身でグラフィックデザイン界の巨匠ミルトン・グレイザー(1929~2020)。1977年、数多くの作品を世に出していた彼に、声を掛けたのは、ニューヨークの観光部局だった。当時、ニューヨークは財政危機の真っ只中。観光客は激減し、ブロードウェイの劇場は閑古鳥が鳴く有り様で、人を呼び戻すための起爆剤を求めていた。

 快諾したグレイザーは、夏の旅行シーズンに合わせて、構想から数週間という速さで、インパクトの強いロゴを作り上げた。発表から3ヵ月後、ブロードウェイの観客動員数は20%から、90%にまで跳ね上がった。

 以後、ロゴはニューヨークの象徴となった。01年の同時多発テロの衝撃を受け、グレイザーはロゴを再検討。最終的に、言葉を足した「I Love NY More Than Ever」とした。パンデミックが始まった時、91歳だったグレイザーは、団結と連帯を示すメッセージ「Together」を最後に作り上げた後、死亡した。(CBSニューヨーク・13日付)

 


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