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共同通信
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新型コロナウイルスに感染して死亡し2021年に解剖された遺体11体の鼻咽頭や肺を調べたところ、6体に感染力のあるウイルスが残存していたことが20日、厚生労働省研究班のまとめで分かった。最も長い死後経過時間は13日だった。
研究代表者で千葉大法医学教室の斉藤久子准教授は「遺体を扱う際は感染力があるとの前提に立つべきで、関係職種には対策を教育し、防護具などを提供することが重要だ」と話す。
感染者の遺体の取り扱いを巡っては、厚労省が今年1月、葬儀に関する指針を改正。制限を緩和したが、通常通りの実施には適切な感染対策が必要だとしている。
研究班は21年1月から10月にかけ、法医解剖や病理解剖を実施した感染遺体11体を調べた。鼻咽頭粘膜や肺組織から計30検体を採取してPCR検査をし、6体の計13検体からウイルスを検出。死後13日が経過していた例は、コロナの診断を受けた翌日に肺炎で死亡し冷蔵庫に12日間安置された遺体だった。