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共同通信
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【アダナ(トルコ南部)共同】大地震が起きたトルコで、南部イスケンデルンの港に被災者の避難施設となるクルーズ船が接岸し、21日までに受け入れを開始した。子連れや高齢者など、長期にわたるテントでの避難生活が厳しい約千人が優先で入居した。
全長約160メートルの船体は、シャワーやトイレのある約400室を備える。被災者はレストランで食事ができ、診療所や図書室も利用できる。
船側によると、クルーズ船は当初、沿岸でのガス田開発に関わる労働者の宿泊所として、トルコの石油企業が船会社からレンタルしていた。だが地震で多数の住民が家を失ったことから、企業側が政府を通して避難所としての転用を申し出た。
妻や4歳と7歳の娘と入居した警察官メフメット・クルツさん(40)は、地震発生日から車中泊を強いられてきたという。「子どもの表情が見違えて明るくなりほっとした」と話した。
石油会社の広報担当ギョクハン・メレイさん(35)は、船の提供期限は未定とした上で「できるだけ長く被災者支援に貢献したい」と強調した。