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共同通信
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フィリピン沿岸警備隊は21日、同国の巡視船が中国側からレーザー照射を受けた南シナ海・アユンギン礁の海上巡回飛行任務を共同通信などに公開した。フィリピン軍が同礁の拠点として兵士を常駐させている座礁船はさび付いて老朽化。背後2キロ以内から威嚇する中国海警局の大型艦船にあらがうこともできず孤立無援に見えた。中国が事実上支配を固めつつある実態が明らかになった。
「中国へようこそ」。メディア3社の6人を乗せた航空機がアユンギン礁に近づくと、記者の携帯電話に中国のローミング表示が現れた。沿岸警備隊が同礁を含む南沙(英語名スプラトリー)諸島の係争海域への同行取材を許可したのはマルコス政権下で初めてだ。
マルコス大統領は軍用レーザーが照射されたとして、自ら駐フィリピン中国大使を呼び出し「深刻な懸念」を伝えた。沿岸警備隊は南シナ海での中国の挑発行動を国際社会に暴露する方針に転換。隊員は「やっと実情を公開できてうれしい」と漏らした。(パラワン島プエルトプリンセサ共同)