学会警告の再生医療届け出

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共同通信
学会の診療指針が警告する手法(イメージ)

 顔のしわやたるみの改善を掲げ、本人の血液の成分に細胞の増殖を促す薬を混ぜて皮下注入する美容目的の再生医療が、日本美容外科学会などの診療指針で「安全性を保証できない」と警告しているにもかかわらず、約100の美容クリニックなどで実施可能となっていることが25日分かった。これらの施設が厚生労働省に届け出ていることを、同省が公開する再生医療の一覧と関連資料から共同通信が調べた。

 患者の血液から採取した多血小板血漿(PRP)に、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を混ぜて注入する手法。bFGFは注入する使い方では薬事承認されておらず、しこりや過剰な膨らみなどの合併症が起きているが、再生医療の計画の安全性を審査するはずの国認定の委員会を通っていた。クリニックの認識と共に委員会の判断の妥当性が問われそうだ。

 実施を届け出ている美容クリニックの医師は取材に「私たちの手順は安全に実施できるという実績がある」と主張している。