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共同通信
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【ロンドン共同】「チョコレート工場の秘密」などの児童小説で知られる英作家ロアルド・ダール(1916~90年)の作品を巡り、容姿や人種、性別などに関する表現を出版社が改変したことが物議を醸している。他の作家やスナク首相らから「検閲だ」と批判が相次ぎ、出版社は24日、改変前の作品を年内に再出版すると発表した。
出版社側は当初「現代の全ての人に楽しんでもらう」のが改変の理由だと説明したが、批判が相次いだ後、「ダールの昔ながらの文章を出版し続けることの大切さを認識している」と釈明した。
デーリー・テレグラフ紙によると、パフィンブックス社の出版した「チョコレート―」「魔女がいっぱい」など10作品で、2001年版と最新の22年版で数百カ所が改変されていた。「太った」や「醜い」などの表現が削除され、「邪悪な女」は「邪悪な人」に、「風変わりなアフリカの言語」は単なる「アフリカの言語」に、それぞれ差し替わっていた。
改変の事実が報じられると、スナク氏も報道官を通じて改変への反対を唱えた。