第5回 ニューヨーク在住トラベルプランナーの NYたびコラム 〜a chill out day in NYC〜 東海岸でお花見を楽しむ
日本から東海岸へ訪れるツアーのお客様方のもっとも熱が高くなる人気シーズンは、紅葉の時期と桜の時期です。パンデミック前は紅葉の時期以上に桜の時期の集客が勝っている印象を受けていました。ただ、私自身は仕事に忙殺され、数年にわたり直に桜を愛でる機会を失い続けてきました。それがパンデミックとなり時間の余裕が生まれ、久方ぶりに満開の桜に出逢う時間を作ることが出来た時に、なんだか日本人として感慨深い大事な気持ちを思い出させてもらう事が出来た気がしました。今回は少し早いですが、ニューヨーク、ニュージャージー、そしてワシントンD.C.の桜についてご案内させて頂きます。
まずはセントラルパークのストロベリーフィールズ近くにあるチェリーヒル噴水から、湖を挟んで西側の双塔の高級アパートメント「サン・レモ」が見える景色をお奨めします。満開の時期には手前の桜が地面に届く滝のように枝がしな垂れ、一枚の絵画のような息を呑む景色が広がっております。是非今年も行きたいと思います。
少し足を伸ばせる方には、お隣のニュージャージー州ブランチブルックパークの桜もお奨め。マンハッタンから車で約40分のニューアーク市にある南北に細長い公園の北側を中心に、約5200本という桜木を有しています。あのワシントンD.C.の3800本を超える驚愕の数を聞くだけで、足を伸ばしてでも行きたくなりますね。フェスティバルが今年は4月1~16日に開催され、特に盛り上がるのが4月16日に行われるBloomfest。ただ、満開の時期は毎年違い、去年は4月1~5日ぐらいから咲き始め、5~10日ぐらいに満開を迎えたそうです。おおよそワシントンD.C.の満開から10日後ぐらいにここの満開を迎えるようですので、満開の時期を逃したくない方はD.Cの開花情報を要チェックです。
最後にアメリカで最も有名な桜の名所である、ワシントンD.C.タイダル池の桜についてご案内します。アメリカに長年住みながら、春は忙しくD.C.の桜を見られたのはなんと去年が初めてでした。D.C.の桜の種類は12種類、全体の7割はソメイヨシノ。日本から寄贈された最初の桜は全て虫に喰われ病気になってしまうという災難に見舞われながら、再度送り直して3020本寄贈されました。その後少しずつ追加され、現在では約3800本が咲き乱れて世界中の観光客の目を喜ばせ、アメリカの首都の春を毎年彩る代表的な花となりました。
ジェファーソン記念堂やワシントン記念塔などの白亜の建造物との相性の良さ、池の縁のなだらかな曲線にこぼれそうに咲き誇る桜達の、優雅で華やかな情景は心の琴線に触れて目が離せず、しばし立ちつくしました。
去年は早咲きで3月の最終週にはほぼ満開。今年のフェスティバルは3月20日から4月の16日まで。週末は池の周辺が大渋滞となりますので、タクシー利用か最寄り駅からの徒歩がお薦めです。
今年の春は、米東部桜前線をチェックしてお花見に出かけてみませんか?
取材・文/MADOKA
日本発の国内・海外添乗員としての経験を経て、ニューヨークでアウトバウンド、インバウンドの両面から旅行業界に携わる。現在はVIPアテンドを務めながら、グループ専門のB2Bランドオペレーターのニューヨーク支店長として、企画から手配にいたるまで幅広い業務を行っている。大好きなニューヨークを、是非皆さんにも楽しく味わって頂きたい♪
→ 最新のニュース一覧はこちら←